ぶらぶらBG3 00
イントロムービー
はじめましてかたにくと申します。BG3の「読解」という主旨のブログを始めて行こうと思います。「読解」と申しますのは以下の点です。
・固有名詞・設定が多い:複雑というわけではなく、単に60年近く続いているコンテンツですので、固有名詞や過去作での設定が多いという特徴があります。
そのせいで、唐突に出てくる固有名詞に混乱してしまうことが多々あります。でもこれらをよく調べながら進めると、キャラクターたちの会話やゲーム内テキストの情報が鮮明になり、ゲームが何倍も楽しくなります。なので私が調べた情報について、共有したいと思います。
・翻訳の壁:本作の特にCS版は英語原文をおそらく機械翻訳に通して日本語化したものとなっており、そのせいでかなり直感的ではない箇所が多くあります。場合によっては誤訳も存在します。
言語系MODも、今のところCS版には無いようです。なのでそれらを英語から再翻訳しながら、今一度読み直そうというところです。
これらの作業を通して再度BG3を一緒に読解しながら、物語をもう一度味わおうという主旨のブログとなります。
出典
用語を調べるにあたって:主に[Forgotten Realms Wiki]およびその他D&D系ファンサイトなどから情報を引用しています。
ゲーム内テキスト英語原文:[BG3 wiki]から引用しています。
英語翻訳に関しては独学および、アメリカに住んでいる家族に協力していただきました。
(Thank you for Sota.)
至らない点もあると思いますが、ご容赦ください。
今回のナンバリングを「00」としているのは、前提知識の共有という主旨が主となるからです。
では早速、イントロムービーから見ていきます。
設定のおさらい:イントロムービー
まず設定のおさらいです。イントロムービーで登場する様々な事物について、事前知識を確認しましょう。
イリシッド
イリシッドとは、かつて巨大な帝国を築き様々な種族を奴隷化しながらその勢力を増していった凶悪な種族です。タコのような頭が特徴的で、基本的に倒すべき敵として登場します。
物理的な戦闘能力は決して高くはありませんが、他者の精神に直接干渉する能力「サイオニック・パワー」の使い手であり、その能力からマインド・フレイヤー「精神を鞭打つ者」と呼ばれます。このあたりは有名ですね。
作中では「イリシッド」という言葉と「マインド・フレイヤー」という言葉が、特に規則性無く混在するケースがありますので、二つが同義であることを知っておくと便利です。
イリシッドの細かい設定よりも、まず重要なのがこの世界における現在の立ち位置です。彼らは今も恐れられている種族です。そうでありながら、敗北した種族でもあるという点が重要です。
先にも申し上げました通り、イリシッドは過去に巨大な帝国を築き、多くの種族を支配下におき奴隷化していました。ただし強力な帝国は奴隷の反乱によって現在は存在しておらず、イリシッドたちは地下深くに逃げ延びて散り散りになっています。
イリシッドはその過去と、種族としての能力においては世界中から恐れられていますが、現在は特に強い権威を振るえるような立場にはなく、隠れ潜んでいたということです。
彼らは常に帝国の復活を目論んでおり、そのためにある一連の計画を「大構想」と呼びます。
BG3全体を通して、この設定は深く関与してきます。
ノーチロイド

イリシッドが使う船で、次元を超えて世界中あらゆる場所に出現することができる船です。
構造物であると同時に生き物でもあり、いわゆる生体兵器というものです。注意すべき点は、あくまでもイリシッドによって作られるもので、こういう生き物がいるわけではありません。
見た目もふくめ生き物と言って過言ではない存在ですが、人工物ではあるということです。
このノーチロイド、実はかなり希少な存在で、帝国の崩壊と共にその製造方法が失われており、イリシッドたちにすらもう新造艦を建造することはできません。
次元
ノーチロイドが次元を渡るといいましたが、この世界は多重構造になっていて、世界がいくつも存在します。挙げだすときりがないほどいくつもの次元が存在しますので、それぞれについては適宜情報を付け足して行きます。
一例として、海があり陸があり街がありという、冒険の主な舞台である世界のことは、「物質界」と呼ばれます。次元ごとに全くルールが異なる世界が広がっており、今作では別次元に入るシーンはあまり多くはないものの、テキストなどでも多く登場するため、都度お話します。
設定のおさらいはこれくらいにして、ムービーを見ていきましょう。
冒頭。イリシッドが手を触れずに容器を開くという描写がされています。設備がサイオニックによって操作されていることが表現されています。
イリシッドが持ち上げているのは、彼らの幼生です。英語では”Tadpol”と呼ばれ、そのままオタマジャクシという意味です。イリシッドは雌雄同体とも言われますが、厳密には性別という概念を持たないそうです。繁殖については、人生に1,2度の産卵を行うそうですが、ここから生まれた幼生はそのままではイリシッドにはなれません。他種族に寄生し、宿主の体を変化させイリシッドへと変化します。幼生は生みの親ではなく、エルダー・ブレインという存在に管理されます。
エルダー・ブレイン
イリシッドの母ともいえる存在です。イリシッドはコロニーという集合体を形成し、エルダー・ブレインはその長として君臨します。その名の通り巨大な脳みそのような外観ですが、サイオニックによって精神に直接語りかけるため対話も可能です。
圧倒的な知能によってあらゆる状況を先読みすることで、コロニーの戦力を効率的に扱い大構想を成し遂げようとします。先ほどお話しした幼生は、エルダー・ブレインのもとに集められるそうで、エルダー・ブレインがこの幼生を管理する他、食料にもしているそうです。
寄生された者は、数日でイリシッドへと変化してしまうため、幼生に感染するというのは多くの者にとって絶望的な事態となります。
一度暗転し、ムービーは次のシーンへと映ります。
ここでイリシッドの死体が強調されます。イリシッドが強力な存在であるなら不要なシーンです。
ここで描写されているのは、彼らの立場が「復讐者」であることかと思います。
同時に今いる場所がノーチロイドの内部であることも明らかになります。
ノーチロイドが街への襲撃を開始するわけですが、このように神出鬼没な大型船が多数存在した過去の帝国がいかに強大な支配力を持っていたかが伝わるシーンです。また同時に、今は希少なノーチロイドが大都市を襲撃するという点も重要ですね。
真っ昼間にこのような船を運用すれば当然目立つわけですから、この時点でイリシッドが多数を敵に回す覚悟を決めたうえで実力行使に出ていることがわかります。
ノーチロイドが襲撃している街の名前はヤーター。バルダーズ・ゲートではありません。要塞都市として知られますが、漁業と商業も盛んな人口の多い街です。ノーチロイドの触手に触れられた人々は、次々に船内へと転送されポッドに収容されていきます。
この時、一瞬イリシッドの死体が再度映されるのですが、この死体は赤い血で濡れています。赤い血というのは、イリシッドの血液ではありません。イリシッドの血は白です。つまりこの死体は返り血を浴びているわけで、この船が今回の航行の間ですでに戦闘を経験していることがわかります。それも、船内に乗り込まれる形での戦闘です。

ここで追手がかかります。レッド・ドラゴンにまたがって現れるギスヤンキの戦士たちです。
ギスヤンキという種族もまた、イリシッドに負けず劣らず悪名高い種族ですが、その名は高い軍事力、個々の兵士の戦闘能力の高さに裏打ちされています。
彼らこそが、かつてイリシッドの奴隷でありながら反乱を成功させ、帝国を崩壊へと導いた張本人です。イリシッドに抵抗した経緯からサイオニック・パワーに抵抗があるばかりか、彼ら自身もある程度サイオニックを行使することができるという強力な種族です。

これは推測になりますが、ここのシーンで襲撃が始まるとすぐにギスヤンキが駆けつけるというのも、もしかするとすでに一度交戦していて、この船をマークしていたせいかもしれません。
戦艦を操舵しているイリシッドも、この襲撃に対して驚いているという様子ではなさそうです。イリシッドに感情の起伏が乏しいという性質がある以上に、すでにこの襲撃自体が予期されていたものだからというのもあるかもしれません。
ギスヤンキから逃亡するため、イリシッドはまたしても奇妙な装置、トランスポンダーを使って全く違う場所へと転位します。
ギスヤンキたちもこれを追跡し、レッド・ドラゴンが放ったブレスが先程イリシッドが幼生を取り出していた容器に吹きかけられます。すると、液体の表面を舐めるように炎が走って、爆発します。これは揮発性が高い可燃性の液体に見られる特徴ですね。
少し話がそれますが、この燃え方は身近な所では
アルコールやガソリンに見られるものですね。また、ゲーム内では「腐食の塩水」という名前で、酸ダメージを伴います。腐食性も持っていることがわかります。

このときの爆発で、イリシッドが次に起動させかけていたトランスポンダーが発動し、ノーチロイドはアヴェルヌスと呼ばれる場所に流れ着きます。
アヴェルヌスはこの世界の地獄です。先ほど申し上げた、この世界にある次元の一つです。この世界では地獄を「九層地獄」と呼び、文字通り九つの層に分かれています。また、九層地獄を指して「バートル」という名で呼ぶこともあります。
九層地獄、および第一層アヴェルヌス

九層地獄に生きる種族はいくつかいますが、その最も代表的な種族がデヴィルです。九層それぞれの層に支配者となる強力なデヴィル、アーチ・デヴィルがおり各階層を統治しています。
この時ノーチロイドが流れ着いたのは、第一層アヴェルヌス。これも、物語の中で何度も聞くことになりますし、物語に少なからず関与してくるものです。
ちなみに、アーチ・デヴィルというのはあくまでも位の高いデヴィルを指す言葉で、アーチ・デヴィルだから各層の支配者であるということではありません。
地獄とそれ以外の次元を出入りできるのは原則アヴェルヌスだけで、そのため他種族の攻撃を受けやすい場所でもあります。
すこしややこしい話ですが、この世界には悪魔の名を冠する種族が二種類おり、片方は今お話しているデヴィル。もう片方は九層地獄とはまた別の次元の住人であるデーモンです。
デヴィルとデーモンは非常に仲が悪く、ここアヴェルヌスでは常に両者の争いが繰り広げられています。もう長い間終わりなく続いているこの両者の戦争は「流血戦争」と呼ばれ、そのためにアヴェルヌスは強い緊張状態にあります。この名前も何度も聞くことになるものです。
流血戦争がどういったもので、なぜ行われているものなのか、についてはここでは本質からそれすぎるため割愛します。
デヴィルたちがノーチロイドを発見すると、問答無用で攻撃を仕掛けてきます。この素早い反応も、ある意味でアヴェルヌスの緊張を物語る描写かもしれませんね。
以上でイントロシーンの読解と、前提知識の共有を終わります。
ここから、BG3の冒険が始まります。
このブログは、BG3の最後まで全ての読解を終了してから書いております。
今回は所謂「善人エンド」を軸に話を追いかけていきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。